田舎の仕事を探すための求人情報サイト活用法

仕事・収入・副業

都会から田舎に移住し、新しい生活をスタートするにあたって、最初に直面する大きな課題のひとつが「仕事探し」です。
私は52歳のときに大阪府から山口県の山間部に移住しましたが、まったく土地勘のない場所で仕事を見つけることには不安もありました。この記事では、実際に私が体験した田舎での仕事探しの方法と、求人情報サイトの活用法、そして予想外のきっかけから始まったビジネスまで、リアルな体験をもとにお伝えしていきます。

タウンワークが最初の入口。慣れ親しんだサイトで安心のスタート

私が最初に使ったのは、全国展開している求人情報サイト「タウンワーク」です。
大阪に住んでいた頃から使い慣れていたこともあり、移住後も自然と利用を開始しました。地方に引っ越したからといって、突然見知らぬ求人媒体に切り替える必要はありません。まずは慣れているツールを使い、地域を絞って検索してみるだけでも、意外と多くの求人情報が見つかります。

仕事選びの最優先条件は「通勤手段」

田舎暮らしにおいて、都会とは大きく違うのが「移動手段」に関する優先順位です。
私が仕事探しで一番重視したのは、仕事内容や給与ではなく、「車で通勤できるかどうか」でした。山間部に住んでいると、公共交通機関が整っていないため、通勤距離と駐車場の有無が現実的な判断材料になります。田舎では「通える場所にあること」が、働けるかどうかの前提条件になります。

実際に求人情報を見て驚いた、田舎の仕事の特徴

実際に求人サイトで山口県の自宅周辺の求人を調べてみると、都市部とは異なる傾向が見えてきました。印象的だったのは、若年層向けのアルバイト(特に飲食・販売系)が非常に多く掲載されていた点です。

私が確認した当時のアルバイト求人比率は以下のとおりです

  • 飲食店関連:199件
  • 営業・販売:145件
  • 倉庫・物流:23件
  • 警備・保安:13件
  • 事務・人事:37件
  • 保育・教育:32件
  • 医療・看護:58件
  • 建設・土木:1件
  • 農林漁業:1件
  • 法務:1件

このデータから分かるように、「地場産業」や「地域密着型の仕事」は非常に限られていることが分かります。求人情報だけを見ていると、「田舎には仕事がないのでは?」と思ってしまいそうですが、実はそうではありません。表に出てこない仕事や、別ルートから始まる仕事も多く存在するのです。

偶然の出来事が、新たな仕事の種になることも

例えば、私の現在の主な収入源の一つである「古物商」と「金属くず回収業」は、空き家バンクで購入した古民家の残置物処理がきっかけでした。
家の片付けをする中で、メルカリで不用品を出品してみたところ、思いのほか売れることに気づき、そこから本格的に中古品販売に取り組むようになりました。

調べていくうちに「古物商許可」や「金属くず回収業許可」が必要であることを知り、実際に警察署へ申請し、正式に許可を得て、ビジネスとしてスタートさせました。田舎での“暮らしの一部”が、そのまま新しい収入源に変わったのです。

このように、求人サイトには載っていないけれど、実際には身の回りに眠っている仕事のタネが田舎にはたくさんあります。

田舎の職場は「優しさ」と「方言」にあふれている

現在私は、ガソリンスタンドでアルバイトをしながら、警備の仕事にも取り組んでいます。
実際に地元の職場で働いてみて感じるのは、「人の温かさ」です。都会のようなドライな関係性ではなく、周囲の人たちが気にかけてくれたり、親切に教えてくれたりする場面が多くあります。

一方で、ちょっとしたカルチャーギャップもありました。たとえば、大阪では「そのままにしておいて」という意味で「ほっといて」と言いますが、これが他地域では「捨ててしまえ」という意味にとられることも。こうした“方言の違い”でコミュニケーションがズレることもありますが、それもまた地域に馴染む過程のひとつです。

求人情報は“掲示されていない”ことも多い

もうひとつ驚いたのは、スーパーや店舗に「求人情報の掲示」が全くなかったことです。
大阪ではどこのスーパーでもレジや品出しのアルバイト募集の貼り紙がされていましたが、こちらでは掲示スペース自体がない店舗も多く、見た目には「求人がない」と錯覚してしまいそうになります。

しかし実際には、求人情報サイトには普通に掲載されているのです。
このことからも、「求人は現地で見つける」よりも「まずネットで探す」「ハローワークを訪れる」ことが田舎では効率的で確実な方法だと感じました。

田舎だからこそ可能になる、複数の仕事と人とのつながり

私は、ガソリンスタンドで働きながら、メルカリで中古メディアを販売し、警備の仕事にも挑戦しています。
一見バラバラなようでいて、実はこの「複業スタイル」が、田舎での暮らしには非常にフィットしています。

1つの大きな収入源に頼るより、複数の小さな柱を持っていたほうが、リスク分散になりますし、何より関わる人間の幅が広がります。
仕事は必ずしも「お金を得るためのもの」だけではありません。そこから得られる人との出会いや、思わぬ発見が、自分の成長や新しい挑戦につながることもあります。

私にとってはそれが「古物商」と「金属くず回収業」でしたが、これから移住する方にも、そうした“暮らしと仕事の境界があいまいな働き方”をぜひ体験してもらいたいと思います。

まとめ:田舎の仕事探しは「情報源」と「柔軟な心」がカギ

田舎での仕事探しには、都会とは違う視点が必要です。

  • 通勤手段を最優先で考える
  • 求人が掲示されていないこともあるので、ネットで調べる
  • 求人情報サイトとハローワークを併用する
  • 暮らしの中にこそ、仕事のタネがある
  • 複業で人とのつながりを増やし、人生の幅を広げる

仕事探しに不安を感じている方も多いと思いますが、「見方を変えれば、仕事は身の回りにたくさんある」ということを、私自身の経験からお伝えしたいです。
田舎ならではの自由な働き方と出会いが、きっとあなたの人生にも新しい風を運んでくれるはずです。

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