空き家バンクで物件購入|移住してわかった田舎暮らしのリアルと準備のすべて

住まい・インフラ・生活環境

地方移住に憧れる人が増えるなか、「空き家バンクを使えば安く家が買える」という話を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。しかし、実際に空き家バンクを活用して移住を成功させた人の声はまだ少ないのが現状です。

この記事では、大阪から山口県へ移住し、空き家バンクを通じて古民家を購入した実体験をもとに、物件探し・購入・引越し・地域との関係構築までのリアルを詳しくお伝えします。空き家バンクでの住宅購入に興味のある方にとって、きっと参考になるはずです。

空き家バンクの探し方は?アットホームの全国版が便利

空き家バンクは基本的に、各自治体のホームページで公開されていますが、全国の情報を横断的に探したい場合は、「アットホームの空き家バンク」の利用が非常に便利です。
都道府県ごと、さらには自治体ごとに条件を絞って物件を比較できます。

最初から一つの自治体に絞る必要はなく、まずは「どんな物件があるのか」をザックリ眺めることから始めると良いでしょう。私もこの方法で、希望条件に近い物件を複数ピックアップし、比較・検討を行いました。

家族との話し合いが成功のカギ|理想だけで決めない移住計画

地方移住は本人の希望だけでなく、家族の理解と協力が不可欠です。
私も妻と「どこに住むか」「山か海か」「病院や役所の利便性」「働き口はあるのか」など、あらゆる現実的な要素を一つずつ話し合いました。

理想論だけで話を進めると、後々の生活に支障が出る可能性もあります。最初の段階で「風呂敷を広げるように、すべてをテーブルに出して話す」ことが、後悔のない選択につながったと実感しています。

空き家バンクで130万円の古民家を購入|補助金も活用

私が購入したのは、宅地面積約497㎡、床面積約97㎡の木造瓦葺き平屋の古民家。
空き家バンクに掲載されていた物件で、購入価格は130万円でした。

ただし、購入後には150万円程度のリフォーム費用が必要でした。水回りや屋根の状態など、建物によって必要な修繕は異なります。

ありがたいことに自治体からの補助金を活用し、修繕費の2/3(最大100万円)までを補助してもらえたため、実質的な自己負担は50万円ほどになりました。

ホームインスペクションは必須級|9万円の安心投資

中古物件購入では、「購入後に後悔するポイント」が見えにくいのが現実です。
私自身では判断がつかない部分が多く、思い切ってホームインスペクション(住宅診断)を依頼しました。費用は約9万円(現在なら10万円前後かもしれません)でしたが、専門家の視点で建物の状態を把握できたことが大きな安心材料になりました。

高額な買い物ですし、人生で最後になるかもしれない不動産購入。少しでも迷いや不安があるなら、診断は絶対にしておくべきだと思います。

引越しは日通の単身パックを利用|補償のある業者を選ぶべき理由

大阪から山口への引越しには、「日通の単身パック」を利用しました。当時は荷物の運び出しから輸送まで一括で対応してくれ、補償もついていたため安心感がありました。

実際、運搬中に照明器具の破損がありましたが、補償のおかげで新品に交換してもらえました。長距離の移動では何があるかわからないので、補償付きの業者を選ぶのは大事な判断です。

※現在はサービス内容が変更され、エリアや作業内容に制限があるようです。利用を検討する際は最新情報を必ず確認してください。

登記・名義変更は司法書士に依頼|費用は約12万円

物件購入後の登記や名義変更などの法的手続きは、私はすべて司法書士に依頼しました。費用は空き家バンク物件購入費用のおよそ10%弱にあたる約12万円でした。

自分で手続きを行うことも可能ですが、知識がないとミスも起こりやすいため、安心と確実さを重視してプロに任せることを選びました。

地域との関係づくりは「挨拶」と「支援制度の活用」から

移住者にとって最大のハードルが、地域コミュニティへの馴染み方ではないでしょうか。

私の地域には「移住支援員制度」があります。移住支援員と一緒に、地域の方や班長さんへの挨拶まわりを行いました。これは本当にやってよかったと感じています。最初の印象づくりがうまくいくと、後の人間関係がとてもスムーズです。

今では野菜や猪肉をいただいたり、日常的にあいさつを交わすご近所付き合いが自然に生まれています。

田舎暮らしで後悔したことは?→ 準備のおかげでほぼなし

私は昔から田舎暮らしに憧れていたため、本も読み、YouTubeでも情報を集め、コロナ禍で1年かけて準備しました。そのおかげで、移住後に大きく後悔したことはありません。

ただし、やはり住宅診断だけは声を大にして「やってほしい」と言いたいです。購入直前まで、「本当にこの家でいいのか?」と何度も自問し、納得して決断したからこそ、今の暮らしがあると思っています。

まとめ|空き家バンクでの移住は準備と行動次第で最高の選択に

空き家バンクを活用した移住は、「安さ」や「自然との暮らし」だけでなく、「自分らしい生き方を選ぶ」大きなきっかけになります。

  • 空き家バンクの物件探しはアットホームなどを活用
  • 家族との話し合いは徹底的に行う
  • 補助金や診断サービスでリスクを抑える
  • 地域との関係づくりは初動が重要

このような準備を経て、私は今、理想の田舎暮らしを楽しんでいます。
これから移住を考えている方の参考になれば幸いです。

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