こんにちは。「田舎ライフと成長の記録」をご覧いただき、ありがとうございます。今回は、「移住後、52歳で初めてのハローワークに行ってみた」体験を、率直にシェアしたいと思います。
山口に移住してから、自然に囲まれた生活を楽しみつつ、メルカリショップスで中古メディアの販売を続けてきました。昨年は1000枚以上を販売しましたが、物価高の影響と月ごとの収益の波もあり、もう少し安定した収入が欲しいと感じるようになり、52歳にして初めてハローワークを訪れることになりました。
なぜ山口に移住したのか?少年時代からの憧れ
私は大阪府出身ですが、子どもの頃からずっと「田舎暮らし」への憧れを抱いていました。そのきっかけの一つが、小学校時代に所属していたボーイスカウトでの体験です。
週末になると、キャンプやハイキングなどの野外活動に参加し、焚き火を囲んでの食事や、自然の中で過ごす時間を通して、「自然と共に生きることの楽しさと心地よさ」を体全体で感じていました。木々の間を歩き、川で水を汲み、土の匂いに触れる——そんな時間が、都市部での生活とはまったく違う世界として、子どもながらに強く印象に残っていたのです。
中でも思い出深いのが、「結索(ロープの結び方)」の練習でした。正直当時は「こんな結び方、将来いつ使うの?」と半信半疑でしたが、現在の田舎暮らしの中で、荷物の固定や簡易の雨よけ設営、家庭菜園での支柱づくりなど、実際に役立つ場面が多くあり、そのたびに「習っておいてよかった」と実感しています。まさに、少年時代の学びが今につながっている瞬間です。
さらにもうひとつ、私の田舎暮らし願望を強めたのが、当時よく観ていたテレビアニメ『まんが日本昔ばなし』の存在でした。素朴な家や山あいの村、自然と調和した暮らしの様子に、「いつか自分もこんな環境で生きてみたい」という夢を抱いたのを今でも覚えています。
こうした幼少期の体験や憧れが、年月を経ても心の中に残り続け、最終的に50代になってからの田舎移住という選択につながったのだと思います。田舎暮らしは突然始めたものではなく、私にとってはずっと心の奥にあった「原点」への回帰なのです。
副業・メルカリ販売の現実と限界
山口へ移住後は、中古CD・DVDのメルカリ販売を副業として続けてきました。特にジャンルを絞らず、邦楽・洋楽・演歌・落語・アニメなど、1000枚以上を取り扱いました。
私のこだわりは、
- 手頃な価格で提供すること
- できる限り迅速に発送すること
- 「喜ばれること」を何よりの目標にすること
売上には季節ごとの波があります。
CDは年末年始に「久しぶりに聞きたい」という感情からよく売れます。一方、GWや連休になると外出する人が増えるのか、売れ行きがピタリと止まります。DVDは猛暑や大雪の日など、「巣ごもり需要」で売れることが多いのが特徴です。
こうした売上の波を経験しながら、「もう少し安定した収入がほしい」と思うようになりました。
初めてのハローワーク、その第一印象
先日、山口県内にある自宅の近くのハローワークへ求職登録のために足を運びました。ハローワークといえば、混雑しているイメージを持つ方も多いかもしれませんが、私が訪れた施設は立派な外観とは裏腹に、館内は驚くほど静かで閑散としていました。これも人口密度の低い地方ならではの光景だと実感しつつ、落ち着いた雰囲気の中で手続きを進めることができました。
最近のハローワークでは、スマートフォンやパソコンを使ってオンラインで求職登録を行える仕組みが整っており、私も事前にスマホから登録を試みました。しかし、私は現在個人事業主として活動しているため、入力項目の一部で該当する選択肢がなく、登録作業が途中で止まってしまう事態に。いわゆる「フリーランス」や「自営業者」は、一般的な雇用形態と異なるため、求職者としての扱いが少々イレギュラーになるようです。
結局、窓口で職員の方に相談し、施設内にある専用の職員用PCを使用して、一から入力をやり直すことに。多少の手間はかかりましたが、職員の方々は非常に丁寧に対応してくださり、分からない部分も一つ一つ確認しながらスムーズに進めることができました。淡々とした対応ではあるものの、必要な説明は的確で、初めての手続きでも安心感がありました。
一度登録が完了してしまえば、求職活動のサポートや求人情報の閲覧、雇用保険に関する手続きなどもスムーズに行えます。個人事業主として働いていると、ハローワークを利用する機会は少ないかもしれませんが、万が一の備えとして登録しておくことは大きな意味があります。また、地方のハローワークは都市部に比べて待ち時間が短く、じっくり相談できる点もメリットに感じました。
施設警備に応募した理由と、地方で求人を選ぶ際のポイント
事前に自宅のPCで求人情報をじっくり調べていた私は、いくつかの求人票を比較検討したうえで、ある一件に目星をつけていました。そして、ハローワークでの登録が完了すると同時に、迷うことなくその求人に一直線。最終的に応募したのは、大手警備会社ではなく、地域の外郭団体が運営する施設の警備業務でした。
実は、学生時代に雑踏警備のアルバイト経験があったこともあり、仕事内容に対してある程度のイメージがありました。今回の募集内容にも親しみが持てたため、不安よりも「これならできる」という前向きな気持ちが勝り、すぐに応募を決意することができました。
応募の決め手となったのは、給与が特別高いわけではないものの「寸志」が支給されること、そして勤務時間や休日のバランスが自分のライフスタイルと合っていた点です。地方の求人では、こうした“実質的な待遇”を丁寧に見極めることが非常に重要です。
たとえば、給与の支給額だけで判断せず、そこから健康保険・厚生年金・雇用保険といった社会保険料を差し引いた「手取り収入」を具体的に把握しておくことが欠かせません。私の場合、支給額からおおよそ17%が差し引かれる計算でした。こうした現実的な視点からも、待遇の全体像をしっかり掴んでおくことが、地方での就職活動では特に重要です。
休日に関しても、週休2日制をベースに**年間112日(週休2日+祝日)を最低ライン、理想は126日(+年末年始・お盆休み)**とするのがひとつの目安。働きやすさを長期的に見たとき、休日の多さは精神的な余裕にもつながります。
また、求人票にすべての情報が記載されているとは限りません。私は面接の際、資格手当の有無や支給基準についてもしっかり確認しました。特に警備業界のように、国家資格や講習が絡む職種では、こうした手当の存在が年収に大きく影響する場合があります。
この業界は慢性的な人手不足という背景もあり、50代の私でも年齢のハードルを感じることはありませんでした。むしろ過去の経験を評価され、「即戦力」として期待されているような印象すら受けました。年齢を理由に一歩踏み出すことをためらっている方にも、地方における警備職は十分なチャンスがあると実感しています。
警備職の面接内容と実際に働いて感じたこと|50代からの再就職体験談
施設警備の求人に応募し、次に控えていたのが面接です。
面接時間はおよそ2時間と、一般的な面接に比べるとやや長丁場でしたが、内容としては圧迫感のあるものではなく、むしろ会社側からの業務説明や職場環境に関する情報共有が中心でした。
形式ばった質問よりも、「どんな働き方を希望しているか」や「これまでの経験」「仕事に対する考え方」など、人柄やコミュニケーション力を重視した面談スタイルだったのが印象的です。
特に警備業界では、チームワークや冷静な対応力が求められるため、学歴や資格以上に「この人と一緒に働けるか」という視点で選考される傾向があるのかもしれません。実際、私自身も特別な資格を持っていたわけではありませんが、過去の雑踏警備の経験や、丁寧な受け答えを評価していただいたように感じました。
いざ勤務が始まってみると、事前に聞いていた業務内容との大きなギャップはほとんどなく、安心して仕事をスタートできました。ただし、久々の現場仕事ということもあり、最初のうちは思わぬ“体力的な壁”に直面することになります。とくに施設警備の基本ともいえる立哨(立ちっぱなしでの警備業務)は、長時間同じ場所に立ち続ける必要があり、最初の数日は足裏やふくらはぎが痛み、正直なところかなりきつく感じました。
それでも、1週間、2週間と続けていくうちに徐々に身体が慣れていき、立ち方のコツや体重移動の工夫なども自然と身についてきます。警備員の仕事は体力的に大変な一面もありますが、年齢に関係なく慣れと工夫で乗り越えられる部分も多いと実感しています。
このように、面接から実際の勤務までを通して感じたのは、「年齢」ではなく「姿勢」や「適応力」が評価される職場だということ。特に地方における警備業は人手不足も背景にあり、50代以上の再就職先としても現実的で安心感のある選択肢だと感じました。
田舎で叶える、警備と副業の両立生活
現在の仕事はシフト制で割り当てられています。勤務日数にある程度の柔軟性があるため、家庭菜園や副業との両立も十分に可能です。実際、私は週の休みや空き時間を活用して、家庭菜園で野菜を育てるのが日課になっています。
私はこれまでにキュウリを育ててきたのですが、これがなかなか面白い。
スーパーで売っているようなまっすぐなキュウリはなかなかできず、実際に収穫できるのは、少し曲がっていたり太さがバラバラだったりするものばかりです。でも、それがまたいい。採れたてのキュウリをスライスして、味噌や塩をつけて晩酌の肴にすると、これがもう最高に美味いんです(笑)。
こうした自然とともにある生活の楽しみは、田舎暮らしの醍醐味だと思います。都市部のように物や情報にあふれているわけではないけれど、自分の手で何かを育て、それを味わうという喜びは、何にも代えがたいものがあります。
また、シニア世代や中高年の方が警備職として働きながら、自分のペースで副業や趣味を楽しむライフスタイルは、今後ますます注目されるのではないかと感じています。たとえば私のように、平日と週末のバランスをとりながら、一定の収入を得つつ心豊かに暮らす。そんな働き方ができるのも、地方での暮らしと柔軟な働き方が両立できているからこそです。
まとめ|50代からの田舎移住と再就職は“選択肢”の一つとして現実的
50代という年齢を迎えると、「もう遅いのでは?」「新しい環境で仕事が見つかるだろうか」といった不安を抱える方も少なくないかもしれません。しかし、私自身の体験を通してはっきり言えるのは、地方での暮らしと仕事の両立は、年齢に関係なく十分可能だということです。
特に地方では、ハローワークを活用した求職活動や、警備業務・公共関連の仕事などにおいて、50代以上の人材が“即戦力”として歓迎されるケースも増えているのが現状です。都市部では見つけにくいような働き方の柔軟性や、生活コストの低さといったメリットも、地方ならではの強みです。
また、シフト制の仕事であれば、家庭菜園やメルカリなどの副業とも無理なく両立できるため、収入面と暮らしの充実を両立することが可能です。自分らしい生活リズムを築きたい方にとって、地方はまさに理想的なフィールドです。
最後にひとこと
「年齢がネックになるのでは?」と不安に思う必要はありません。行動すれば、道は開けます。挑戦に年齢は関係ありません。
地方への移住や再就職を検討している方は、ぜひハローワークなど公的な支援も上手に活用しながら、一歩を踏み出してみてください。
このブログが、その背中をそっと押すきっかけになれば幸いです。
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