52歳で大阪府から山口県に移住し、空き家バンクを通じて住宅を購入した私の体験談をお伝えします。移住を決意した背景や、空き家バンクを利用しての物件購入の手順、そして購入後の生活に至るまでの詳細をお話しします。これから田舎での生活を考えている方々にとって、実際の体験から得た情報が少しでも参考になれば幸いです。
移住を決意した理由と空き家バンク利用のきっかけ
私が大阪から山口県に移住を決意した理由は、自然の中での生活を楽しみたいという思いからでした。都市部では得られない、静かで落ち着いた環境で、心穏やかに生活を送ることができると思ったのです。しかし、移住先での住宅購入には大きな課題も伴います。
そんな中で見つけたのが、空き家バンクという制度です。この制度を利用することに決めた理由は、主に以下の3つです。
- 安く購入できること
- 地域との繋がりを持つことができること
- 補助金を利用してリフォームができる可能性があること
私が購入した物件は約100万円という非常に安価な価格で、リフォームには市の補助金を利用することができました(工費150万円のうち2/3の補助)。さらに、購入者との繋がりができたことで、ちょっとした相談にも乗ってもらえて、移住後の不安も軽減されました。
物件選びのポイントと実際のチェック項目
物件選びで最も大切だと思ったのは、立地条件です。田舎の物件選びでは、単純な価格だけでなく、周辺環境や自然災害のリスクについても慎重に確認する必要があります。
例えば、川の近くにある物件では、増水時のリスクや過去の浸水の有無をチェックしました。また、山の近くでは、崖崩れや落石の可能性を考慮し、擁壁の状態も確認しました。加えて、病院や銀行、買い物先までの距離や、ゴミ出しのルールも必ず確認することをお勧めします。特に、田舎ではネット環境も重要なポイントです。私の場合、最初はネット環境が整っていなかったため、Wi-Fiを導入しましたが、今やインターネットなしでは仕事や娯楽が難しい時代ですので、事前に確認しておきましょう。
空き家バンク利用時の書類手続きと実際の苦労
物件を購入する際、書類の手続きが非常に面倒で、時間がかかることを実感しました。購入した物件は築年数が古かったため、過去の書類がほとんど残っていない状態でした。市の合併や法改正が重なっていたため、特に書類の整備には手間がかかりました。通常、不動産業者であれば書類作成のサポートがありますが、空き家バンクを通じての手続きは、役所とのやり取りが多く、担当の司法書士さんには本当に苦労をかけました。
これから物件を購入する方には、事前にどの書類が必要かを確認しておくことを強くお勧めします。特に、過去の記録が少ない物件の場合、必要な情報を集めるために時間がかかる可能性があります。
リフォームと補助金活用の実際
空き家バンクで物件を購入する最大のメリットの一つは、補助金を活用してリフォームを行える点です。私も市の補助金を利用してリフォームを行いましたが、業者選びには少し苦労しました。年末に差し掛かる時期だったため、依頼した業者の中には「忙しいので断る」と言われることもありましたが、最終的に個人業者に依頼することになりました。これにより、サービス面でも満足でき、結果的に良いリフォームができたと思っています。
リフォームの際は、業者の選定も重要ですが、補助金をうまく活用するためには事前に市役所に確認することが大切です。補助金の申請手続きは少々手間ですが、金額を抑えたリフォームができるため、積極的に利用することをお勧めします。
移住後の生活と地域との関わり
移住後、私の生活はどんどんと充実していきました。田舎の生活では、地元の草刈りや夏祭りなど、地域との繋がりが大切です。毎年3回行われる草刈りや、自治会主催の夏祭りには積極的に参加しており、地元の人々との交流を深めてきました。しかし、今年からは施設警備の仕事を始めるため、今後は参加できなくなるかもしれませんが、地域貢献はこれからも大切にしていきたいと思っています。
また、田舎ならではの問題もあります。例えば、クマネズミが多く見られ、家の中でネズミの運動会が始まることがあります。その際は、ワナを仕掛けて駆除することになりますが、これも田舎暮らしの一環として受け入れています。
金銭面と生活コスト
物価高の影響を受けていますが、物件を購入したことで家賃の支払いから解放され、少し経済的にラクになったと感じています。水道は井戸水を使っており、ガスは使わず、薪でお風呂を沸かしています。山間部には薪を集めるのには事欠きませんので、生活費が低く抑えられる点は大きなメリットです。
まとめ:これから移住を考えている方へのアドバイス
空き家バンクを利用した住宅購入には、さまざまなメリットがありますが、手続きや物件選びには慎重を期す必要があります。自分の目で確認し、地元の人々と繋がることができれば、移住後の生活もスムーズに始められるでしょう。これから田舎暮らしを考えている方々には、情報収集と準備が大切であることを心からお伝えします。
田舎での生活には、都市部では味わえない魅力がたくさんあります。自然に囲まれ、地域との絆を深めながら、新しい生活を楽しんでいきましょう。
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